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アイドル様の、ホントのお顔

第3章 ~REN~

「自分で気づいてなかったわけか。 お前はアホか。」

「おい、骸。 そんな言い方ないだろ。」

剛さんはそう言って骸さんを注意してたけど…

「…………」

骸さんの言う通り、俺はアホだ…

「………そんなに落ち込む必要ないよ。」

「……?」

うなだれた俺を見て、優しくそう言ってくれた剛さん。

「君はさ、この間まで一般人だったんだろ? それが、いきなりこんな世界に連れて来られて、人のことを考えないRENに振り回されれば、誰だって泣きたくなるさ。

今までの日常を、壊されていくわけだし。」

そう…俺は、それがとても悲しかった。

あいつ中心の生活を送ることになったら、周りの人が俺から離れて行ってしまうんじゃないかって…

「ふぁ~…」

「ん? 起きた?」

「だって、もう時間だろ?」

岳さんの言葉に時計を確認すると、スタジオを出てから十分程経っていた。

「あ、ほんとだ。」

「………ん?」

「?」

眠そうに起き上がり、俺の顔を見て首を傾げた岳さん。

「さっきまでの話聞いてたけど…お前か。 今日発売の雑誌で話題になってるの。」

「え? えっと…」

話題…になってるのか?

「ふーん…」

「??」

な、なんだ?

「話題になるのもわかるな。 むしろ、今まで誰にも拾われなかった方が不思議。」

「あ~。 それはわかる。 かなりいい顔してるのに、スカウトされなかったのは奇跡だよな。」

「いや、あの…俺、そんなに顔がいいってわけじゃ…」

今まで女子に告白されたことなんてほとんどないし。

彼女も、一人できたくらいだし。

「なに言ってんの。 もっと自分に自信持ちなよ。 男性人気No.1の俺達が言うんだからさ。」

「そうそう。」

「は、はぁ…」

そ、そうなの…か…?

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