アイドル様の、ホントのお顔
第3章 ~REN~
「ん~…君さ…えっと、遼馬だっけ? 俺らと写真撮ろうよ。」
「………え!?」
俺らって…3Gの皆さんと!?
「は?」
「いいねぇ~。」
岳さんの言葉に、骸さんは首を傾げ、剛さんは楽しそうに笑った。
「RENの奴に振り回されて、ここまで来たんだろ? さっき喧嘩もしてたみたいだし、あいつが文句言えないくらい、いい写真撮ってやろうぜ。」
「で、でも…」
こんなに迷惑かけているのに、これ以上皆さんの仕事の邪魔をするわけには…
「いいじゃんいいじゃん。 俺らのファンなんだろ? 超いい記念になるし。」
「ど、どうしてそのこと…」
俺…骸さん以外の二人にファンだってこと言ってないのに。
「さっきまで泣きそうだったのに、話してるうちにだんだん表情明るくなっていったからさ。
俺らの名前も知ってたし。」
そ、それだけで…
「大丈夫だって。 俺らに任せとけ。」
「ちょっ…」
そう言って、岳さんは俺の腕を掴み、無理矢理立ち上がらせた。
「ほら、行くぞ遼馬。」
「骸、行くぞ。」
「はいはい。」
「あのっ…」
この人達、人の話を聞かないのか?
「おはよーございます。」
「岳君、おはよう。」
スタジオに入り、挨拶をする岳さん。
挨拶を返したカメラマンさんは、岳さんの隣に俺がいることに驚いたようだ。
「倉田さん、俺らと遼馬の写真も撮ってもらっていいですか?」
「え?」
まあ、そうですよね…
つい十数分前まで、満足のいく写真を撮らせなかった人間と一緒に撮るなんて言われても、困るよな。
「あと、遼馬ソロでの写真もお願いしてもいい?」
「え!!?」
「遼馬君一人で?」
そんな話、さっきはしてなかっ…
「僕は構わないけど、遼馬君大丈夫?」
「え、あの…」
「大丈夫大丈夫。」
どうしたらいいかわからない俺に対して、余裕そうに笑う岳さん。