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アイドル様の、ホントのお顔

第3章 ~REN~

「「おおー。」」

「………」

パソコンに映し出された画像を見て、歓声を上げる3Gの皆さん。

「すげー綺麗に撮れてるな。」

「これは、俺らも危ないんじゃね?」

「…………そうかもな。」

たしかに…自分で言うのもなんだが、これはすごい。

っていうか、これは誰だ。

写真って、撮り方でこんなに変わるもんなのか?

「これで来週も、世の女性は遼馬の話題で盛り上がるな。」

「俺ら表紙飾る予定なのに、大丈夫かな? 遼馬に関心全部持って行かれそう。」

「そ、そんなことあるわけないじゃないですか!!」

ありえないありえない。
俺が、3Gの皆さんと肩を並べるなんて。

「遼馬はモデルの素質があるな。」

「いっそ仕事にしちゃえばいいのに。」

「……いや…そ…んな…」

なんで、みんなして同じこと言うんだ…

「俺なんかには無…」

理です。と続くはずだった言葉は、着信音によって遮られた。

「マナーモードにしておかないと、ダメだよ。」

「あ、す、すみません…」

慌てていた俺は、相手が誰かも確かめずに、電話に出てしまった。

「もしも…」

『ちょっと!! これ、どういうことなの!!!?』

出た瞬間、ものすごいデカイ声で怒鳴られた。

「綾!?」

『REN様と一緒に雑誌の表紙に載るなんて、聞いてないけどっ!!』

やっぱり、その話か…

「いや、それには訳が…」

『っていうか、いつの間にREN様と知り合いになったのよっ!!!?』

あの握手会の後…なんて、言えないよな…

「それは…」

うん。 言えない。
口が裂けても言えない。

「い、いろいろあって…」

『いろいろってなによっ!!!?』

はぁ…何を言っても、火に油だな…たぶん。

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