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「えっと…」

『まあまあ。　綾ちゃん、落ち着いて。』

『関口先輩!?』

………隆？

『あいつにも、事情があるんだよ。』

『で、でも…』

なんで、隆が綾と…

『今忙しいと思うし、また今度にしな。　ね？』

『………はい。』

おぉ。　綾を黙らせた。

「ごめんな、綾。　今度、説明するから。」

『……わかった。』

『ちょっと、代わってもらってもいい？』

電話を切ろうとしたら、隆が電話を代わるように指示しているのが聞こえた。

『お前、大丈夫か？　学校がすごい騒ぎになってるぞ。』

「……そうか。　悪いな、迷惑かけて。」

そりゃ、騒ぎになるだろうな。

『とにかく、後で説明しろよ？　なんでこんなことになったのか。』

「あぁ。　わかった。」

それだけ話をして、電話を切った。

「はぁ…」

これだけの騒ぎを起こして…俺、進学できるのか？

「今の電話、彼女から？」

「へ？」

後ろを振り返ると、ニヤニヤしている剛さんと岳さんが。

「ち、違いますよ!!」

「ほんとか～？」

「ほんとですって!!」

うわ…変な勘違いされた。

「おい、REN!!」

「……なんですか？」

「!!」

剛さんは撮影を終えたあいつを呼び出した。

「遼馬君、彼女いるんだって。」

「…はい？」

「ちょ、だから違うって…」

剛さんの言葉を聞いた瞬間、あいつの表情が変わった。

「どういうことだよ？」

「…REN？」

「っ…」

なんだよ。　どうして、そんなに真面目な顔すんだよ。

「…だ、から…誤解だって言っ…」

綾は俺の妹だって、説明しようと思ったら、また着信が。

「チッ…誰だよ…」

表示を見ると、隆の名前が。

「？」

さっき話したばっかりなのに…

「すみません、ちょっと失礼します。」

なんかあったのか？