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アイドル様の、ホントのお顔

第3章 ~REN~

「もしもし?」

『もしもし? 今大丈夫か?』

チラッとあいつを振り返り、隆の言葉に頷く。

「あぁ…大丈夫だけど、どうした?」

『大変なことになったぞ。』

大変なこと?

『あの雑誌に出てるのがお前だって、学校にバレたんだよ。 今、お前のこと捜してる。』

「はぁ!?」

俺を捜してる?

『校長に呼び出しされてるぞ。』

「マジかよ…」

うちの学校、校則厳しいからな…雑誌なんかに出たら、退学もありえるか…

『戻って来れないか?』

「……今から向かう。 先生にもそう言っといてくれ。」

『わかった。 あんまり無理すんなよ。』

電話を切り、大きくため息をついた。

「大丈夫?」

「ぅわっ!!」

耳元で声が聞こえ、驚いて振り返る。

「あははっ!! ビックリした?」

「へ? ぁ…は、はい。」

驚いた俺を見て、面白そうに笑う剛さん。

「大丈夫? なんか、大変そうだったけど。」

「あ、そうだ。」

こんなことしてる場合じゃなかった。

「あの…今日は、もう失礼してもいいですか?」

「「え?」」

とにかく、学校に戻らないと。

ほんとに退学処分になるかもしれない。

「用事でもできたの?」

「まだ俺らと写真撮ってないのに。」

「…ちょっと…いろいろあって…」

言葉を濁すと、何かを感じたのか、剛さんは優しく微笑んだ。

「そっか。 じゃあ、また今度な。」

「あ、はい。 すみません。」

「え~。 せっかく遼馬と写真撮れると思ったのに。」

岳さんはそう言って、へそを曲げてたけど…

「おい。」

「!!」

急いでスタジオを出ていこうとしたら、あいつに呼び止められた。

「後で連絡するから、携帯見ろよ。」

「……わかった。」

不機嫌そうなあいつの言葉に頷き、俺はスタジオを飛び出した。




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