アイドル様の、ホントのお顔
第3章 ~REN~
「…失礼します。」
「どうぞ。」
返事が聞こえたのを確認し、校長室の扉を開く。
「君が…金本君かい?」
「…はい。」
中には、頭がバーコードの校長と、俺のクラスの担任。 学年主任が。
「何故呼び出されたかは、わかっているね?」
「…………」
何も答えずにいると、学年主任が例の雑誌を机に乱暴に放り投げてきた。
「これは一体どういうことだ?」
「………」
「何とか言わないかっ!!」
はぁ~…学年主任はだいぶご立腹のようだ。
それに対して、校長と担任は何も言わない。
そんなに怒っているようにも見えない。
「……どうもこうも、見たまんまですけど。」
「なんだその態度はっ!!」
チッ…面倒くさい。
「これに載っているのは、君で間違いないないんだね?」
「はい。」
今さら隠したところで、どうにもならないだろう。
「そうか…」
「教師にこんな態度を取るようでは、大目にみることもできませんな。 校長。」
この学年主任…前から、俺のこと目の敵にしてたからな。
「校長…今回は、大目にみてやってはどうでしょうか?」
「!! 西島先生、何を仰ってるんですか!?」
「!!」
そう言ったのは、担任の西島先生。
「幸い、夏休み中ですし。」
「うーむ…」
「何を仰るんですか!! 一回でも許せば、生徒は規律を守らなくなりますよ!!」
どうしても食い下がらない学年主任。
そんなに、俺を退学させたいのか?
「夏休みが終わる頃には、世間も忘れているでしょうし、まだ我が校を特定されたわけでもありませんし。」
「……そうだな。」
「校長!?」
ついには、校長までも西島先生の言葉に頷いてしまった。
「今回は大目にみることにしよう。 ただし、またこういう問題を起こした場合は、それなりの処分を覚悟しておくように。」
「はい。」
悔しそうな学年主任。
「今日はもう帰ってよろしい。」
「失礼します。」
校長や担任に頭を下げ、さっさと退散した。