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アイドル様の、ホントのお顔

第3章 ~REN~

「とりあえず、移動するか。 ここだと、何かと人の目につくし。」

「あぁ、そうだな。」

さっきから、すれ違う生徒全員が俺らを見てるし。

学校だと、どこで誰が聞いてるかもわからないし。

「今日はもう補習ないのか?」

「あぁ。 さっき終わった。」

「私も。」

二人が頷いたのを確認し、話し合った結果、俺の家で話をすることに。

ファミレスとかだと、周囲の目を引くだろうし、RENの名前を、そんな公の場で出せないし。

「それにしても、お前…注目集めすぎ。」

「好きで集めてるんじゃない。」

学校内ではもちろん、外に出ても注目を浴びてしまう。

「REN様と雑誌の表紙を飾ったんだもん。 注目集めない方が無理だよ。」

「チッ…」

ほんとに、あいつは…

「面倒なことばっかり起こすな…」

「あ、あのっ…!!」

「?」

声をかけられ、駅に向かっていた足を止める。

「なにか?」

振り返ると、数人の女子。

手には、例の雑誌が。

「雑誌の方…ですよね?」

あー…めんどくさ…

「まさか。 人違いですよ。」

「で、でも…」

「急いでるので、失礼します。」

これ以上なにか聞かれる前に、さっさと退散しよう。

そう思い、相手の返事も聞かずにまた歩き出した。

「お兄ちゃん、これ。」

「ん?」

途中、綾が差し出したのはマスク。

「着けて。 なにもないよりマシだと思うから。」

「ん…サンキュ。」

このくそ暑いのに…

なんて、心の中で呟きながら、綾にもらったマスクを着ける。

「あっつ…」

「文句言わないの!!」

んなこと言われても、暑いものは暑い。

「ってか、お前…制服は?」

「………あ゛っ!!」

やっば…慌てて出てきたから、撮影した時の衣装で来ちゃったよ…
しかも、制服置いてきたし…

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