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アイドル様の、ホントのお顔

第2章 ~はじまり~

「なにすっ…」

「ごめんね? でも、あんまり人目に付きたくないから。」

そう言ったRENは少し悲しそうで…

「玄関先もなんだし、上がってよ。」

「………」

なんとなく、放っておけないと思った。

「……お邪魔します。」

「どうぞ。」

先を行くRENの後ろをついて行くと、リビングに通された。

「なにか飲む?」

「いらない。」

ソファに座ると、RENに飲み物を勧められたが、さっさと要件を済ませて帰りたかったので、それを断る。

「今日、俺がここに来た目的を果たしたら、さっさと帰る。」

「………」

生意気な俺の態度を気にもせず、俺の前に座ったRENは、にっこりとほほ笑んだ。

「その前に、自己紹介しようか。」

「は?」

自己紹介?

と俺が首を傾げている間に、RENは勝手に自己紹介を始めた。

「俺の名前は新城 蓮(しんじょう れん)。 18歳。」

「新城…蓮…」

RENの本名…初めて聞いた。

一年前…突然芸能界に入って来た謎の人物。 それがRENだった。
たった一年でトップアイドルまで上り詰めたREN。

彼のことは、素顔と芸名。 それ以外何の情報も公開されていない。

ミステリアスな雰囲気がいいのか、世の女性はRENに夢中だ。

「君の名前は?」

「……金本 遼馬(かねもと りょうま)。 17歳。」

俺と一コしか変わらないのか。

「いい名前だね。 よろしく。」

「………」

どうして…

「なんで俺を呼んだ? 一般人に住所を教えたらヤバいんじゃないのか?」

今日俺が来たのは、理由を聞くためだ。

「聞きたい?」

黙って頷くと、RENはゆっくり立ち上がった。

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