アイドル様の、ホントのお顔
第2章 ~はじまり~
「よく来たな。」
「…あんたが来いって言ったんだろ。」
次の日。 俺は再びRENの家を訪れていた。
「ちゃんと親に言ってきたか?」
「……あぁ。」
頷きながら、家に上がる。
……なんでこんなことに…
「お前、俺と一緒の部屋で寝ろ。」
「はぁ!?」
なんで男二人で寝ないといけないんだよ。
「部屋は用意してやるけど、寝る時だけは俺の部屋に来い。」
「そんなの…」
嫌に決まってるだろ。 なにが楽しくてそんなこと…
そう言おうとしたら、RENに睨まれた。
「お前に拒否権なんてない。 わかってるだろ?」
「………」
あの写真がある限り、俺はこいつに逆らえない。
「いいな?」
「…………」
RENの言葉に、黙って頷く。
「お前の部屋、ここだから。」
俺に与えられたのは、6畳ほどの部屋。
ベッド、机、たんす…生活に必要なもの以外、何も置かれていない。
「俺が仕事で帰れないときはここで寝ろ。 別に俺の部屋で寝てもいいけど。」
ふざけんな。 誰が寝るか。
「まあ、部屋は好きに使ってくれ。」
「…どうも。」
部屋を出て行こうとしたRENは、何か思い出したのか足を止めた。
「だいたい荷物を片づけ終わったら、リビングに来い。」
RENは、「さっさと来いよ。」と付け足して部屋を出て行った。
「はぁ…」
荷物を片づけながらため息をつく。
「なんでこんなことに…」
昨日…俺を家に帰す時に、RENは一つ目の命令をしてきた。