秘密の兄妹
第9章 幸せを感じるとき
ピンポーン!
「あっ、春樹だ!俺、出る」
風磨が玄関先に向かっていき、春樹を迎え入れる。
「ごめん、遅れた。大地は大丈夫なのか?」
「ああ…今寝てるよ…。さっきまでコーラで酔って暴れてた。大地って馬鹿だから振られるんじゃね?」
春樹はため息をつくと俺の横に座る。
…!!!!
俺は横に座った春樹の顔を見る。
「何?…悠人?」
俺は飲んでいたウーロン茶をテーブルの上に置いた。
「なあ、なんで春樹の身体から俺の家の匂い……っていうか紫織の匂いがすんの…?」
春樹は少し黙るとふっと笑う。
「あぁ、バレちゃったか……。ごめん、悠人、今まで俺、紫織ちゃんと一緒にいた。」
「は?」
「何?…どういう意味?春樹…」
風磨も驚いて春樹に聞く。
「紫織ちゃんと……してた……」
春樹の言葉に俺の心臓の音が大きくなっていく。
「紫織ちゃんとセックスしたのか?春樹…」
「うん、した。」
春樹は穏やかな顔で笑うけど、反対に俺の心は全く穏やかじゃなかった。
「でも、紫織ちゃん、今付き合ってるやついるんだろ?…そいつを裏切ったのか…!?」
「そんなんじゃない。」
風磨の問いに春樹は冷静にいい放つ。
「そんなんじゃないよ…」
「「…………」」
春樹は俺たちの顔を見ると切なそうな顔をした。