テキストサイズ

秘密の兄妹

第11章 心の変化




――――――
――――
――

「今年の新入生、みんな元気だなぁ」



風磨が教室のベランダから外にいる新入生たちを眺める。



「これから一年生だけで体育館で入学式やるらしいぜ。あっ、あれ紫織ちゃんじゃん…!」



「…………」



「…ここから見ても目立つな、あの子…。高校入ったら中学の頃以上にモテんじゃねえの?なんか制服変わったせいかすごく大人びて見えるし…」



俺は友達と一緒にいる紫織を見つめながら風磨に聞く。



「…なあ、風磨。やっぱりお前から見ても紫織って可愛く見えるか?」



「ああ、可愛く見える。可愛い上に綺麗かな…」



「よかった…俺だけが可愛く見えてたらやばいと思ってた…」



「…………」



俺のその言葉に風磨が黙る。



「ここのベランダから見ても分かるかよな…周りの男たちがみんな紫織のこと見てるの……」



可愛いよな……やっぱり……



春樹と関係を持ったと分かったとき、紫織の裸の写真と動画を撮って脅したけど、あんなの最初から誰にも流す気なんてなかった。



あとですぐに消去しようと思ってた。



他の男に紫織の裸なんて絶対に見せたくなんてない



……何で妹なんだろう……



あんな綺麗で可愛くていい子、何で俺の妹なんだろう……



俺が紫織を見つめていると、紫織は周りの男たちに囲まれはじめた。



「…なあ、悠人…紫織ちゃん、男に囲まれてるぜ。いいの?」



「何で?…妹が男にモテるのって自慢じゃん。」



「…………」



…本当はよくねえよ



死ぬほど嫌だよ



でも「紫織に近づくな」なんて、彼氏でもないのに言えない……






ストーリーメニュー

TOPTOPへ