秘密の兄妹
第12章 募っていく想い
ベットに近づき、顔色の悪い紫織の額を触る。
……確かに熱い……
「…んっ……あっ、お兄ちゃん……」
紫織が目を覚ます。
「紫織が熱があるって保健室の先生が俺に知らせにきた。お前、朝は普通にしてたじゃん…いつから具合が悪かったんだ?」
「…昨日の夜から少し頭が痛かったの……。でも、大したことないから平気。熱もそんなに高くないし…」
…昨日、紫織のこと何度も抱いたのに全然気づかなかった……
「…お兄ちゃん、手かして…」
「手…?」
紫織は自分の手を伸ばして俺の手を掴むと、俺の手のひらに甘えるように顔をすりすりと刷り寄せた。
「…………」
俺の手を頬に当てながら、紫織は俺の瞳を見つめる。
「今、お昼休みだよね…?迷惑かけちゃったみたいでごめんね…。もう教室に戻ってくれていいよ。私もあと少し寝たら午後の授業に出るから。」
「…だめだ、寝てろ。放課後、お前のこと保健室に迎えにくるから今日は安静にしてろ。」
「でもっ…」
「紫織、お前、兄貴の言うこと聞けないの?」
お前に無理してほしくないんだよ、分かれよ……
「……うん、分かった……待ってるね…。お兄ちゃんが放課後、迎えに来てくれるのおとなしく待ってる…」
「帰りにお前のクラスに寄って、お前の荷物も持ってくるから、とにかく何も考えず保健室でじっとしてろ。」
「うん…ありがとう……」
紫織は嬉しそうに笑う。
「…………」
俺を拒んだら俺に捨てられると思って、具合が悪いの我慢して昨日無理して俺に抱かれてたのか……?
俺は紫織の具合の悪さに気づいてやれなかった自分を憎らしく思った。