無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

昼休みになると、紫織が沢村と一緒に俺の教室にやって来た。



俯いて申し訳なさそうに表情を曇らせている紫織を連れて、みんなで学食を食べに食堂へ向かう。



★★★★★★

「紫織、今日はとりあえず消化のいいうどんとかにしておいた方がいいんじゃない？」



「うん、そうする」



沢村に心配をかけないように、ぎこちなく笑っている紫織の姿が、かえって痛々しい。



紫織と沢村は、俺と風磨と大地の向かいに座ると、温かいうどんを食べ始めた。



「紫織、どうだ？食べられそうか？」



俺が紫織にそう聞くと、紫織はにっこりと笑って頷いた。



少し安心して、俺もＢランチを食べていると、紫織が急に立ち上がって口を押さえたまま、学食の外に駆け込んでいった。



沢村はそれに気づくと、紫織を追っていった。



「……なあ、今のってやっぱりトイレに吐きに行ったのかな……」



大地がボソッと呟く。



「…………」



しばらくすると、沢村が一人で俺達のところに戻ってきた。



「…紫織が食べたうどん全部吐いちゃったみたいです

『帰りに自販機で飲み物買ってくるから、先に食堂へに戻ってて』

って言われて、高瀬先輩たちに知らせに、とりあえず私だけ戻ってきました。」



「そう…」



「紫織、このままで大丈夫かな…」



「…………」