
秘密の兄妹
第16章 壊れかけの心
しばらくすると、紫織はアイスティーを持って食堂に戻ってきた。
「お兄ちゃん、ごめん。夜は頑張って食べるから……」
「…紫織、念のため、放課後に保健室の立野先生のところか、学校の心理カウンセラーの近藤先生のところに相談に行くか…?」
「ううん、いい。
しばらく様子みてみる。
一時的なものかもしれないし…」
「…分かった」
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―――
―翌日―
「おはよう、悠人」
紫織に合わせて早めに登校している俺の横の席に座りながら風磨が俺に声をかけてくる。
「おはよう」
「紫織ちゃん、昨日の夜と今日の朝、ちゃんとごはん食べられたか?」
「…いや、夜はお粥作ったんだけど、それすら食べられなくて見事に全部吐いた。
朝はお茶だけ飲んできた」
「…そうか。
なあ、紫織ちゃん、飲み物なら飲めるのか?」
「ああ、お茶とかジュースとかなら飲めるみたいだな……
特にアイスティーが好きだからよく飲んでる」
「ふうん…」
