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秘密の兄妹

第16章 壊れかけの心





2人と別れて、廊下を歩きながら俺は風磨に尋ねる。



「…なあ、風磨って血液型何型?」



「は?…A型だけど…?」



俺と大地は顔を見合わせると、納得したようにお互い頷いた。



「なるほど!やっぱりなぁ。

どうりで気が利くと思った!

俺、紫織ちゃんが味噌汁なら飲めるんじゃないかとか、全く頭に浮かばなかったもん!」



大地が感心しながら、腕を組みながら頭を縦に振る。



「俺もそう。

ここ2日、紫織と一緒にメシ食ってて、味噌汁の存在に全く気づかなかった。

さすがA型だな。

紫織もA型だからお前ら似てんのかな」



「…いや、血液型は関係ないと思うぞ…

ちなみに、お前ら何型なんだ?」



「俺は小さな事は気にしないO型!」



「俺も器が大きくておおらかなO型」



大地と俺がそう返事をすると、風磨はため息をつく。



「血液型なんて関係ない。

何型でもいろんなことに気づく奴は気づくし、気づかない奴は全然気づかない。

俺はたぶん独りっ子だから、何でも自分一人で背負わなきゃいけない分、他人のことにも敏感なだけだ。

兄弟がいるって、俺からしたら、かなり羨ましいことなんだ。

お前ら、妹の存在をもっと有り難く思えよ」



「「…………」」



…風磨はときどき、俺達よりすごく大人びて見えるときがある。



こういうとき、俺は今まで紫織に甘えてきたんだと思い知らされる。









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