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秘密の兄妹

第16章 壊れかけの心





―3日目の昼―

「紫織、俺のAランチの味噌汁飲め」



俺は紫織に味噌汁を渡す。



「うん、ありがとう」



「紫織、味噌汁は飲めるようになったの?」



沢村が嬉しそうに紫織に聞いてくる。



「うん。昨日の夜と、今日の朝も飲んできたよ。

具は残しちゃうけど、味噌汁の方は飲める。」



「そっか、よかったね!」



「うん。」



「なあ、沢村。沢村の携帯のアドレス聞いてもいい?

俺のも教えるから。

もし、紫織に何かあったときにすぐに俺に連絡できるようにしておきたい」



「え?…あっ、はい、いいですよ。」



俺が沢村にそう言うと、味噌汁を飲んでいた紫織の手が止まる。



「……お兄ちゃん」



「ん?何だ?」



「なら、私も橘さんと神保さんに携帯のアドレス教えてもいい?」



「え…」



「私に何かあったときに、お兄ちゃんに連絡つかなかったら、橘さんか神保さんに連絡できるようにしておきたい……」



紫織が真面目な目で俺の瞳を見つめる。



「…………」



「…………」



…風磨と大地に紫織のアドレスなんて教えたくない……








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