秘密の兄妹
第17章 春樹と風磨
「美加が今回の紫織ちゃんをレイプする件を考えるのは、少し無理があると思った。
アキラたちみたいな馬鹿な協力者が必要だし、美加の後ろで手引きする奴も必要だ。
美加一人じゃ起こせない事件だった…
お前、美加とも付き合ってたよな?
どうせ、悠人に冷たくあしらわれて、落ち込んでる美加に優しい言葉かけて、紫織ちゃんをレイプさせるように仕向けたんだろ……」
「美加が喋ったのか!?」
春樹の顔つきが変わる。
「美加は何も話してない。
お前のその顔を見ると【当たり】ってとこか…
紫織ちゃんを手に入れれば、悠人に勝てるとでも思った?」
「ああ、だから紫織ちゃんに近づいて甘い言葉かけてセックスした。
ははっ!最高だったよ、紫織ちゃんとのセックス!!
あの子、めちゃくちゃ可愛すぎだから!
…なのに、俺を選ばなかったから制裁を加えてやろうと思ってね…」
それを聞いた俺は、深いため息をついた。
「お前が校門の前で、紫織ちゃんの携帯のアドレス聞いてるの見たときから、危ないと思ってたんだよ……
何気なく何度も悠人に、紫織ちゃんに目を向けるように忠告してたんだけど、まさか大地が彼女に振られた慰労会の日にセックスするとはな…
お前、本当に抜け目ないな」