秘密の兄妹
第17章 春樹と風磨
「でも、風磨、その日、俺が紫織ちゃんのところに行くの薄々気づいてたろ?
いつもお前からは絶対に電話来ねえのに、何度も何度も慰労会の誘いの電話してきたし、俺が紫織ちゃんとのセックス終わった後に、俺が慰労会来るように悠人に電話させたのもお前だろ?
俺、お前からの電話とメールの着信音サイレントにしてたから、お前からの着信音が鳴らないようになってたことにお前は気づいたんだな……
だから悠人に電話させた。
でも、もう紫織ちゃんとヤっちゃった後だったけど!
ははっ!うける!!」
腹の底から笑っている春樹を見て、俺は低い声で呟いた。
「…お前、最低だな…」
「俺、今までお前のこと疑いながらも、お前のことダチだと思ってたから、悠人や大地の前でも、お前が一生懸命作り上げてる【優等生の仮面】を剥がさないように、お前の馬鹿な嘘に付き合ってた…だけど、もうお前に付き合いきれない…
今日、たった今から春樹とはダチやめるから…」
「…………」
「一つ忠告しておくけど、お前の性格の悪さ、一部の女子の間でけっこう広まってるぞ。
せいぜい、化けの皮が剥がれないように、卒業まで注意しとけ」
「…………」
俺がそこまで言って、踵を返そうとすると、春樹が俺を呼び止める。
「…俺もお前に関する【変な噂】聞いたことがある…」