秘密の兄妹
第3章 お兄ちゃんが分からない
「…んっ…はぁ…」
紫織から唇を離し、俺は紫織の瞳を見つめる。
「…俺はお前のことなら何でも知ってる。
お前が誰よりも優しい心を持っていることも、
お前が誰よりも寂しがりやなことも、
お前が誰よりも【お兄ちゃん想い】なことも、
そして…
お前が誰よりも俺を失うことを怖れていることも……」
紫織は「なん…で?」という顔をすると、床に手をついて涙を落とす。
「…狡い…狡いよ……お兄ちゃんにばかり私の心の中、見透かされて…
私ばかりお兄ちゃんの言動や行動ひとつひとつに一喜一憂して…
…心が苦しい……」
「…お前なんかに俺の心が分かってたまるか。」
苦しめ…
俺が今までお前のことでさんざん苦しんだ分、お前も苦しめ……
俺は泣いている紫織の頬をポンポンと叩く。
「紫織、今夜風呂から出たら俺の部屋に来い。意味分かるな?」
紫織は頭を横に降る。
「お兄ちゃん、今日はもう許してっ…。私、昨日初めてされたばかりなんだよ…?お兄ちゃんのすることにまだ心も身体もついてけない……」
「駄目だ。ちゃんと俺についてこれるようになるように俺がいろいろ教えてやるから、早く俺の色に染まれ。」
俺は紫織にそう言い放ち、2階の自分の部屋に戻った。