秘密の兄妹
第4章 兄の想い
私は食器を片付けながら、食器棚に手をついた。
…しょ、食事ってこんなに疲れるもの…?
本当にお兄ちゃんのすることについていくのがやっと…。
「なあ、紫織。」
突然のお兄ちゃんの呼びかけに、私は驚いて振り向く。
お兄ちゃんはお風呂あがりで、いい香りを漂わせていた。
「…なに?」
「お前、春樹にちゃんと断りのメールしたのか?」
「あっ…まだしてない。」
今日は色んなことがありすぎてすっかり忘れてた。
お兄ちゃん、怒ってる…?目、見れない……。
「まあ、しかたないか…。俺の部屋に来るとき携帯持ってこい。俺が断る言い訳を考えてやるから。」
「…うん。」
「あと、風呂から出たら下着はつけずに来い。」
「え……」
お兄ちゃんの目を見ると、ん?何か文句ある?と言っているような顔で微笑んでいた。
「……下も?」
「当たり前じゃん。脱がす手間が省けるからな。」
「……っつ…。」
この人はどこまで私のことを虐めれば気が済むんだろう……
「で、お前、まだ風呂入んねえの?もう食器の片付け終わったんだろ?」
「もう少し食器棚の整理してから入る。」
私はそう言ってお兄ちゃんに背を向けると、私の上着の裾からスルリとお兄ちゃんの手が入ってきた。
…!!!