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秘密の兄妹

第4章 兄の想い




行為が終わったあと、紫織はうつ伏せになったまま、虚ろな顔をして、隣にいる俺のことを見つめていた。



そんな紫織に俺は尋ねる。



「紫織…さっきので、もし間違えて妊娠したら、お前どうする?」



俺はいろんな女に中出ししてきた。



ヤった女にこの質問をすると、決まってみんな同じ答えを出す。



「降ろす」。全員、この言葉をいう。



お前は俺の妹だから、最初から答えなんて分かってはいるけど、紫織は何て答える?教えてくれ…。



紫織は俺の目を見つめると、閉じていた口を開いた。



「産むよ。」



「え…」



紫織の言葉に俺は驚く。



「産む……。たぶんその子は物凄く辛い思いをすると思う。父親が誰かなのかも言えないし、兄妹の間に生まれた子なんて残酷すぎる…」



「でも、私がその子を幸せにする。せっかく授かった命を消すことなんて私にはできない。世の中には子供を産みたくても産めない人達もいるし……」



「私がたくさん愛してあげて、周りの人達からも愛されるような子供に私が育てるよ。お兄ちゃんの助けは要らないから安心して。」



「…………」



…この2日で紫織がそこまで考えていたなんて夢にも思わなかった……



何より、こんな俺の子供を産もうとしてくれようとする紫織が、愛しく思えてたまらなかった。



やっぱりお前は他の女とは違う……。





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