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秘密の兄妹

第4章 兄の想い




「…お兄ちゃん、私も聞いていい?」



「ああ…」



紫織は泣きそうな顔をする。



「お兄ちゃんの初めてはいつだった…?」



…何だ、そんなことか……



「中2の秋頃かな……。俺に告白してきた女の中でヤらせてくれそうな女を適当に選んでヤった。それからお前がオモチャになるまでは、そういう女をとっかえひっかえしてヤってた。」



紫織は面倒臭そうに答える俺の話を聞いて、目を細めた。



「中2の時に、初めてお兄ちゃんとしたその子、きっと本気でお兄ちゃんのこと好きだったんだね……。」



俺はその言葉を聞いて鼻で笑った。



「ははっ、んなはずねえだろ。俺が一言言えば、簡単に股を開くような女だぜ。」



「違うよ……」



紫織は強い目をして反論する。



「違う…。好きな人の頼みだからしたんだよ。お兄ちゃんに嫌われたくないから……。きっと他の女の人達もそう…」



「なのに、お兄ちゃんは【したい】っていう欲望だけで、お兄ちゃんを本気で好きな子を適当に相手にしたんだね……。」



俺を責めるような瞳で、紫織が俺のことを見つめる。



「…っ、お前に何が分かる!!?」



俺は思わず紫織を怒鳴りつけた。



妹のお前を襲ってしまいそうで…怖くて怖くて、他の女で紛らわせていた俺の何が分かる…!?



どんな女を抱いても、これは違う、これも違う…



何度、他の女としてもこの繰り返し。



そしてやっとお前とひとつになって、ああこの子だって思えた。



やっぱり俺には紫織しかいないんだって……



そう思えたんだ…





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