秘密の兄妹
第6章 知らない本音
「ただいまぁ。」
ドサッ
「ふう、重かった…」
お兄ちゃん、今日は友達と遊んでくるから帰り遅くなるって言ってたっけ……
久しぶりにビーフシチュー作ろうっと!!
私は簡単なおかずを作ってビーフシチューを煮込みながら窓の外を見る。
天気が悪くなりそう……
雨は好きだけど雷は大の苦手だからちょっと不安…
お兄ちゃん、早く帰ってきてくれないかな……
★★★★★
「ゲーセン悠人に負けまくった!!もう今月金がねえ!!」
風磨と大地が悔しがりながら俺の横を歩く。
「なあ次、ハンバーガーでも食いにいかねえ?あそこ安いし!」
俺は大地の声を聞きながら空を見上げる。
「…………」
ゴロッ
「雷だな…」
風磨が呟いたその一言を聞いて、俺は家の方角に体を向けた。
「悪い、今日はもう帰るわ!お前ら、どうせハンバーガー俺におごらせるつもりだろ?その手には乗んねえよ。」
「「バレたか!!」」
2人がそう言うのを聞いて、俺は紫織の待っている家に走って帰った。
ゴロ、ゴロ、ゴロッ…ピカッ!!
「きゃあ!恐い!!」
カーテンを閉めて、ソファーで丸くなりながらお兄ちゃんの帰りを待つ。
「…待ってても帰って来ないか……。お兄ちゃんが好きなのは私の身体だけだもんね……」
ゴロッ、ゴロッ…
カチャカチャ…キィ……ガシャン!
急に玄関のドアが開く音が聞こえた。
玄関に出る廊下の方を見ると、お兄ちゃんが立っていた。