隣にいるのがあたりまえ
第2章 過剰なスキンシップ
「また今度来た時は、俺の服持ってきてよねー」
”また”の言葉に嬉しくなる俺は重症なんだろうか?
「さぁーどこやったかなぁー?そもそも家にあるかなぁ?」
なんて、ちょっとからかってみれば・・・
「どういうこと!?無くしたかもっていうのは百歩譲ったとして、家にないってどーゆーことなの!?」
あーうるさい。言うんじゃなかった。
「冗談だよ!本気にすんなバカっ!」
「むぅ〜!和が冗談言うからいけないんじゃん」
「はいはい、すいませんでした!もう着替えるからあっち行け」
「なんか、納得いかないなぁ…」とかなんとか、ぶつぶつ言いながら寝室を出て行った。
あの人は結局何しに来たんだろう?
疑問に思いながらもシャツを着て、ジーパンに足を通して寝室を出た。
すると、ほとんど支度をすましたまーくんが俺に気付いて、くすくす笑いながら俺の前に来た。
「なに」
ちょっとむっとしながら答えると…
「ボタン、掛け間違えてるよ。」
と言ってシャツのボタンをはずし始めた。
「自分で出来るよ!」
自分の胸が急にドクドクと音を立てて、顔が熱くなっていくのが分かる。
「いいから、いいから」
その手を振り払えばいいだけなのに、それが出来ないのは嬉しいと思っている自分がいるから。
黙っていると、「はい、終わったよ」とまーくんが言った。
俺はというと、きっと頬が赤いから顔を見られたくなくて上げられない。
「和?」
どーしようと迷った末に、顔を伏せたまま「歯、磨いてくる」と言って、洗面所にかけあしで逃げた。