隣にいるのがあたりまえ
第1章 日常
まーくんは何に対しても一生懸命なゆえに、周りが見えなくなって悩みや不安を相談せず溜め込んでしまうクセがある。
だから昨日の夜、電話がかかってきた時あぁ、って思ったんだ。また一人で苦しんでるって。
電話の向こうで、「かず……か、ず」って切なそうに呟くから「今から行く」って事だけ伝えてマンションを飛びだした。
合鍵を使って玄関を開けると、すぐそこにはまーくんが床に座り込んでいて、「来てくれ、た」って力なく微笑んだんだ。
その体を触ると冷たくなっていて、俺は思わず抱きしめていた。
「バカっ!いつから居たんだよ…こんな冷えちゃって」
「えへへ…ごめん、ね」
消えちゃいそうな声で言うと、今度はボロボロと涙を零しはじめた。