テキストサイズ

補習の常連さん

第4章 御泊まり

「大変そうだね。俺も探すの手伝ってやる」

「え、や、そんないいです」

あれ、なんか…
早坂先生てこんなに優しかったっけ?
俊助は頭を混乱させ迷惑をかけまいと全力で断った


「遠慮するなよ。
俺もお前の教師なんだから
使える奴はバシバシ使ってった方いいよ」

「はあ…」

この優しさが逆に俊助を震わせた

俊助は曖昧に返事をする。
早坂先生の意外な一部分を見た気がする。
人見知りの激しい俊助は、勿論担任や他の教師とは滅多に関わらない。自分からは接触しない

そんな俊助に偶々起こったコミュニケーション

「北本って俺の事嫌いでしょ?」

「え、いや…」

突然の図星を突かれ心臓が一瞬止まりそうになった

「ま、貸しはお前の授業態度で期待してるから。
当てられるのが嫌ならその日習った事をその日の内に予習しとけば?」

「…………………」

早坂はそう言うと
椅子から立ち上がり何処かへと消えた

最もな事を突かれた。
そんなこと言われなくても…

自分が一番分かっている事だから。
だから尚更早坂先生のその言葉に何も返す事が出来なかった

ストーリーメニュー

TOPTOPへ