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言葉で聞かせて

第7章 過去

でも聞きたいことは山ほどある

身体に鞭打って起き上がり、リビングに向かった

しかし扉を開けて台所を見ると、そこには誰も居なかった


「?」


食卓を見るとそこには湯気を上げる白いご飯と味噌汁、焼き魚が用意されている

それが、二人分

その横に置き手紙があった


『心配かけてごめんなさい。友達のところに泊まりに行っているだけなので、心配しないてください。また3日ほどで戻ります』


その後は仕事はパソコンの中にデータが入っていることなどの連絡事項が書いてある


「友達のところに泊まりに、ね……」


僕がメモを眺めているとリビングに敦史が入ってきた


「おはよう」
「……はよ。千秋は?」


僕が無言でメモを差し出すとそれを受け取って読んだ敦史が「泊まりに行く、ねぇ……」と呟いた


同じ反応してる
双子だなぁ


「どうすんだよ?」
「どうしようか」


敦史は溜息をついてキッチンに入り、水をコップに注いで飲み干した


「どうしようか、じゃねぇよ。千秋が心配じゃねぇのか。俺の頭じゃ思いつかねんだから」


でも、本当にわからないんだ
千秋さんが少し痩せたっていうのは事実だけど、僕達に隠すってことがやましいことだとは言い切れない

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