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言葉で聞かせて

第2章 体調不良と猫

確かに倒れていたりしたら大変だ


今すぐ確認に家に帰って、と言う姉さんの話を聞いていると敦史がやってきた


ーーどうした?


ーー千秋さんのことでトラブルみたい


俺が言うと敦史は興味なさげに鼻を鳴らして行ってしまった


任せる、か


「姉さん。一度帰って確認してみるよ」
『えぇ、お願い』
「うん。じゃあ、また連絡するね」


僕はそのままオーナーのところに向かい、成り行きを話して仕事を休みにしてもらった

タクシーを拾って家に帰ると、やっぱり千秋さんの部屋は電気がついている


コンコン


軽くノックをしてみたけど、返事はない


あ、あるはずないのか
喋れないんだった


「千秋さん?悠史です。入ってもよろしいですか?」


一応一言声を掛けてからドアを開けると



「千秋さん!?」


椅子から崩れ落ちるようにして、千秋さんが床に倒れていた

駆け寄って抱き起こすと、触るだけで身体の温度が高いのがわかる


随分熱がありそうだ
とりあえず寝かせないと


「失礼します」


背中とひざ裏をしっかり支えて持ち上げると、想像以上の軽さに驚かされる


軽い……!!
そういえば外出した形跡も食器を使った形跡もなかった
もしかしてまともに食事を取っていない?

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