言葉で聞かせて
第7章 過去
『それでも最初は何か事情があるのだろうと思っていました。幸いその頃には既に小説家としての仕事を始めていたのでそこそこお金があり、特に困ることなくお金を支払うことができました。そしてーー』
『事件は起こりました』
事件
千秋さんの、僕達が知らない過去
僕は無意識に肩に力が入っていることに気がついた
人のこと気にかけている場合じゃないな
少し肩を回してから再びメモ帳に視線を落とす
『食事に行った際の会計だけでなく、彼女は現金を僕に要求するようになりました。それも日に日に額は大きくなり、一度に数十万円を渡すこともありました。』
数十万円
確かに普通の大学生が簡単に払える額じゃない
異常だ
『流石に違和感を覚えて彼女に尋ねてみても、彼女は何も答えず「心配しないで」とだけ言われてしまいました。そして彼女に渡した金額が数百万円になったある日、彼女は僕を連れてあるお店に連れて行きました。』
数百万円、という金額にも驚かされたけれど、次に出てきた千秋さんが連れて行かれたというお店にもびっくりしてしまった
『そこは、僕だけなら入店拒否されてしまうであろう』
『ホストクラブでした』
『事件は起こりました』
事件
千秋さんの、僕達が知らない過去
僕は無意識に肩に力が入っていることに気がついた
人のこと気にかけている場合じゃないな
少し肩を回してから再びメモ帳に視線を落とす
『食事に行った際の会計だけでなく、彼女は現金を僕に要求するようになりました。それも日に日に額は大きくなり、一度に数十万円を渡すこともありました。』
数十万円
確かに普通の大学生が簡単に払える額じゃない
異常だ
『流石に違和感を覚えて彼女に尋ねてみても、彼女は何も答えず「心配しないで」とだけ言われてしまいました。そして彼女に渡した金額が数百万円になったある日、彼女は僕を連れてあるお店に連れて行きました。』
数百万円、という金額にも驚かされたけれど、次に出てきた千秋さんが連れて行かれたというお店にもびっくりしてしまった
『そこは、僕だけなら入店拒否されてしまうであろう』
『ホストクラブでした』