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言葉で聞かせて

第7章 過去

ホストクラブ……!?
そんな


『そしてそのホストクラブでは僕のことをたくさんの男の人達が待っていました』


たくさんの男


その単語に嫌な予感がして生唾を飲んだ


『彼女は僕に言いました「貴方と付き合っていたのはお金が目的だったの」と。そして、「今度からは金ヅルとしてだけじゃなくて、性処理係としても頑張ってね」とも言われました』


『彼女が無理してまで僕と交際を続けていたのはやはり僕に好意を寄せていたからではなく、他に目的があったからなのでした。更に彼女は僕に金銭だけではなく、身体まで要求してきました。それにそれは男としての身体なのではなく、女性としての身体を求めてきたんです』


僕も、そして隣に座っている敦史も驚きを隠せない

千秋さんの凄まじい過去にもだけれど、千秋さんに危害を加えていたのが女性だけではなく僕達と同じホストであったことにもだ


『彼女の言った通り、僕は数人のホストの方々の慰みものとなり、毎日のように脚を開きました。いつまで続くのかもわからないその生活の中で精神を病み、僕は声を失いました』


千秋さんの声を失った理由を聞いて僕達はただ呆然とした


僕達が
僕達の存在が千秋さんのトラウマを刺激していたんじゃないか

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