言葉で聞かせて
第7章 過去
『結局、僕の様子がおかしい事に兄さんが気がついて警察に通報し、僕は保護されました。その際逆上した彼女が画像をネットに公開してしまったんです。これが、僕が声を失うこととなった理由であり、あの画像に怯えていた理由です』
「……」
「……」
千秋さんの書いた文章を全て読み終えても、部屋の中は静寂に包まれていた
何と言えばいいのかわからない
だって今まで一緒にいて勝手に好意まで抱いていた僕達が、本当は千秋さんを苦しめていたのかもしれないなんて
あまりに酷すぎる
千秋さんは僕達の様子を伺いながら再びメモ帳を手に取った
『僕がどうしてあの画像に怯えていたのかわかりましたか?苦しさがわかるからこそ、僕はどうしてもそれを阻止したかったんです』
千秋さんの優しさに胸が詰まる
なのに僕達はまだ何も言えないままだ
『あなた達が無事で、本当に良かった』
「千秋さん……」
そして微笑む千秋さんが初めて頼れる大人に見えた
千秋さんの方がきっと何倍も辛くて、何倍も痛い思いをしたのにこうして変わらず微笑んでくれたことに涙が出そうだった
「……ひとつ、わからないことがある」
突然敦史が言葉を発した
敦史は千秋さんの目をまっすぐに見つめる
「千秋にとってトラウマで、敵とも言えるホストである俺たちをどうして助けたんだ?」
「……」
「……」
千秋さんの書いた文章を全て読み終えても、部屋の中は静寂に包まれていた
何と言えばいいのかわからない
だって今まで一緒にいて勝手に好意まで抱いていた僕達が、本当は千秋さんを苦しめていたのかもしれないなんて
あまりに酷すぎる
千秋さんは僕達の様子を伺いながら再びメモ帳を手に取った
『僕がどうしてあの画像に怯えていたのかわかりましたか?苦しさがわかるからこそ、僕はどうしてもそれを阻止したかったんです』
千秋さんの優しさに胸が詰まる
なのに僕達はまだ何も言えないままだ
『あなた達が無事で、本当に良かった』
「千秋さん……」
そして微笑む千秋さんが初めて頼れる大人に見えた
千秋さんの方がきっと何倍も辛くて、何倍も痛い思いをしたのにこうして変わらず微笑んでくれたことに涙が出そうだった
「……ひとつ、わからないことがある」
突然敦史が言葉を発した
敦史は千秋さんの目をまっすぐに見つめる
「千秋にとってトラウマで、敵とも言えるホストである俺たちをどうして助けたんだ?」