言葉で聞かせて
第7章 過去
「「!!」」
「流石に3人寝れるような広いベッドはねぇからとりあえず今日は悠史一緒に寝てやれよ。明日は俺な」
言うだけ言うと「じゃ、おやすみ」と千秋さんの頭を軽く撫でてから敦史は部屋に戻ってしまった
まったく
気使っちゃって
いいのに
「寝ましょうか?」
僕が言うと千秋さんは僕を見上げた
『本当にいいんですか?』
「もちろん。どうぞ」
それでもまだもじもじしている千秋さんがいじらしくて、可愛らしくて
少し笑ってから
「前にも一緒に寝たじゃないですか」
と耳元で囁くと、千秋さんは顔を真っ赤に染めた
ん?
『そのことなんですけど、謝らなくちゃいけないんです』
「はい?」
謝らなきゃいけないこと?
『僕、怖かったのはもちろん嘘じゃないんですけど、なんというか 』
「?」
『口実にしてた部分があったんです』
「口実、ですか?」
『一緒に 寝たくて』
とくん、と心臓が高まる
こんなこと今日何回目だ
苦しい
痛い
けど、甘い
愛しい
「嬉しいです」
僕が素直に言うと、千秋さんは嬉しそうに微笑んだ
「……寝ましょうか」