言葉で聞かせて
第2章 体調不良と猫
『ごめんなさい。もう大丈夫ですので』
放っておいて下さい、と言わんばかりのその文面に僕は少しだけ顔を険しくした
「ダメですよ。病人は休んでいないと」
それから甘く微笑んで
「今、お粥を作ってくるので少しお腹に入れましょうね」
職業病かな
無意識にしてしまった今の表情の動かし方は、人から見られることを想定してのものだ
僕は心の中で溜息をついた
少し待っていて下さい、と立ち上がろうとすると千秋さんが僕の服の袖を掴む
『私生活には介入禁止、って決まりです。』
「!」
正直意外だった
こんなことを言うのは失礼なんだけれど、博秋さんの過保護ぶりを見ていると人に頼りきって生きてきたようなイメージがあったから
それに僕の言葉に、表情に、惑わされないってところも少し面白い
なんて
ホストらしいと言えばらしいけれど、嫌な性格
「体調不良の時くらいは人に頼らないと」
僕はまた微笑んで、優しく千秋さんの手を腕から外した
千秋さんはまだ納得していないようだったけれどとにかくそのままっていうのはダメだから、僕はキッチンへ向かった
即席でお粥を作って戻ると千秋さんが自力で上体を起こしていた
放っておいて下さい、と言わんばかりのその文面に僕は少しだけ顔を険しくした
「ダメですよ。病人は休んでいないと」
それから甘く微笑んで
「今、お粥を作ってくるので少しお腹に入れましょうね」
職業病かな
無意識にしてしまった今の表情の動かし方は、人から見られることを想定してのものだ
僕は心の中で溜息をついた
少し待っていて下さい、と立ち上がろうとすると千秋さんが僕の服の袖を掴む
『私生活には介入禁止、って決まりです。』
「!」
正直意外だった
こんなことを言うのは失礼なんだけれど、博秋さんの過保護ぶりを見ていると人に頼りきって生きてきたようなイメージがあったから
それに僕の言葉に、表情に、惑わされないってところも少し面白い
なんて
ホストらしいと言えばらしいけれど、嫌な性格
「体調不良の時くらいは人に頼らないと」
僕はまた微笑んで、優しく千秋さんの手を腕から外した
千秋さんはまだ納得していないようだったけれどとにかくそのままっていうのはダメだから、僕はキッチンへ向かった
即席でお粥を作って戻ると千秋さんが自力で上体を起こしていた