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言葉で聞かせて

第9章 鳴き声、泣き声

俺が頭を撫でていると、目が覚めたのか千秋が半開きの目で俺を見上げた


「……はよ」


俺の言葉に幸せそうに微笑んだ千秋だったが、何を考えたのか目を見開き慌てだした


「?なんだ?」


って、あぁ


「朝飯か。まだそんな時間じゃねぇよ」


枕元に置いてあった腕時計を千秋に見せると、恐らく普段千秋が起きるよりまだ少し早い時間

それを見てほっとした千秋はまた俺の腕の中にもどってきた


「はは、別に朝飯ぐらい作ってなくても怒ったりしねえから心配すんな」


俺が髪にキスをしてそう言うと千秋は少し不機嫌そうな顔をする


「ん?」
『最近はご飯作れるのが減ったので朝食も作れないなんて嫌です』


あー最近昼も夜も大して家で食わねえから


「悪い」


頭を撫でると千秋はまた携帯で何かを打った


「!」
『次の休み、美味しいご飯をご馳走してくれたら許してあげます』
「ははっ」


なんでだろうな
他の奴らからの誘い文句より千秋のこの誘い慣れてないこの感じの方が良いなんて

大概だな


「お前もなかなかやるな」


恥ずかしそうな顔をして俺の胸に顔を埋めた千秋の頭をまた撫でる

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