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言葉で聞かせて

第9章 鳴き声、泣き声

悠史に見せられた携帯はメール画面
送り主は『楓くん』

内藤か


『昨日は本当にごめんなさい!!ただお二人と仲良くしたかっただけなんです!流たんも僕も本当に反省してます!!』



顔文字やら絵文字やらで煌びやかに飾られたそのメールを見てつい口から「うぇ」と声が漏れる


「こいつ本当に反省してんのかよ?」
「ふふふ、さぁね?」


俺たちの会話に、食事を運んできた千秋が首を傾げる


「昨日僕達に粗相しようとした人たちからの謝罪メールが届いてたんです」


粗相、ね


「反省してねぇだろ。それを見る分には」
「そうですね」


千秋にも悠史がメールを見せてやると千秋は「わぁ」と目を開いた


「ま、やることやんなら別に構わねぇけどな」
「そうですね。本日からの仕事次第、ということにしましょうか」


また軽快に笑った悠史につられて、俺も少し笑う


まぁ、忘れてやってもいいかな
後輩みたいだし?


大事な、なんて思ってもないことを考えて自分で笑う


今後に期待出来る奴らだし


とにかく俺はそんなことより次の休みの方が気になっていて、割と遠くにあった休みに思いを馳せた

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