
言葉で聞かせて
第9章 鳴き声、泣き声
えへへ、と何故か笑って千秋さんが僕に触れるだけのキスをしてくれる
そして片手で僕のものをうにうに揉みながら千秋さんがべ、と舌を出した
「悠史さん、ちゅーする時に飲まされるの、好きなんですか?」
「!」
やっぱり
変に思われた
バレた?
でも千秋さん笑ってる
大丈夫?
嫌われてない?
僕の顔色があまりに悪くなってしまったのか、千秋さんが心配そうに僕の頬を撫でた
「どうしました?」
「……ぁ……えと……」
「僕、そんなこと気にしませんよ?別に変なことじゃありませんし……」
変なことを聞いてしまったかな、大丈夫かな、と千秋さんは僕の胸に手をついて目に涙を溜めている
好きなら何でも許せるって誰に言われたんだっけ
結局その人は離れていってしまったけれど
それでも、その言葉を言われたその時は
すごく
嬉しかったな
千秋さんの言葉も、勘違いしてしまいそうになる
全部大丈夫だなんて
目頭が熱くなって、涙が出そうになる
それをなんとか堪えていつもと同じように余裕のある笑みを浮かべた
「すみません……好きなんです……興奮、します」
僕が小さな声で謝罪と本音を告げると千秋さんはほっとした様子で顔を上げた
