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言葉で聞かせて

第3章 葛藤と誘発


「最近悠史がさ、アフター行かないみたいじゃん?お前から言っといてよ。客から苦情来てんだけど」


俺より少し高い身長で、筋肉質な身体の佐伯さんは俺に言い聞かせるように屈んで目線を合わせてくる


「俺が言って聞くかわかんないっすよ」
「でもお前以外が言っても余計効果ないだろ」


よろしくなー、と佐伯さんは店の奥へ入っていってしまった


どうしろっつんだよ
くそ


そして思いついた


あぁ、千秋に言っときゃいいのか
悠史の仕事の邪魔すんなって

あーいう奴は一回ビビらせときゃいんだろ?
なんだ
簡単じゃん


解決作とも言えない策が思い浮かんで、先の見えた俺は上機嫌で店に入った



その夜
俺は数多あるアフターの誘いを全て断った


「えーー流星今日はアフター行かないのぉ?」
「あぁ。悪りぃな」


俺の耳元に口を寄せて女は囁く


「今日はえっちできると思って可愛いブラしてきたのに……」


あー……下半身にクる声出しやがって


俺はそいつの手を取って手の甲にキスした

普段こういうことするのは大抵悠史の方で俺がするのは珍しいから、女は動揺を隠せない


「え!?え!?……や、やだ!流星が……!」

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