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警戒しろなんてぼんやりとした事を言われても、結局は僕たちに出来ることはほとんどなくて

出来た事といえば


「それでは千秋さん、行ってきますね」


精々、休日も敦史と2人で出かけることくらいだった


「今日はどちらまで？」
「映画」
「を、見に行ってきます」


僕達の答えに千秋さんはしゅん、と肩を落とした


「そうですか……。最近三人で出かけることが出来なくて寂しいですね……」


その可愛らしい姿に心を射抜かれて、ずっと側に居たくなってしまう

けれどまだ厳戒態勢を解けない僕らには何も出来なくて


「すみません。問題の早期解決に努めますね」


と緩く抱きしめた

千秋さんはそれで許してくれて、「はい。頑張ってください」と笑って腕を回してくれる

敦史は千秋さんに触れるだけのキス


僕らだって寂しいですよ、千秋さん
早くまた三人でいられる日が戻ってくるといいですね




けれど
そんな僕らの思い合った大切な時間は一週間と少し後に千秋さんによって全てを無に返された

僕ら二人をリビングに集めた千秋さんは紙に一言だけ書いて机の上に置いた


『僕と、別れてください』


少し俯き気味の千秋さんは表情と

それから

やっと取り戻した



声を失っていた