言葉で聞かせて
第10章 再来
そんな忙しそうにしている二人だけど、夜はちゃんとどっちかは帰ってきてくれて僕の相手をしてくれる
その……えっ、ち……も……
枕を離して時間を確認
そろそろ夕方といった時間
「お昼寝でもしよっかな……」
と枕を本来の使い方通り頭の下に移動すると
ピーーンポーーン
と家に鳴り響く呼び出し音
面倒くさいなぁ、と思いつつも、この家に届く荷物は大半僕のものなので、出ないわけにはいかない
「はい」
『宅配便でーす。お荷物お届けにあがりました』
エントランスのオートロックを解除してほしい、と言う意味のその言葉に僕はインターフォンの受話器横にあるボタンを押す
暫く待っていると、顔馴染みの宅配のお兄さんが家のインターフォンを改めて鳴らした
「小野寺さんこんにちはー」
「こんにちは。暑いのにご苦労様です」
「いやぁほんと、最近急にねぇ」
「ここにサインお願いします」と渡された紙に渡されたボールペンでサインする
「ありがとうございます。はい、これがいつもの出版社さんからですね」
「はい」
届いたのは僕の本のファンから会社に届いたファンレターだったりプレゼントだったり