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言葉で聞かせて

第10章 再来


写真に写っていたのは、スーツを着ている恐らく出勤途中の敦史さんと悠史さん


「なにこれ……どういうこと……?」


来ないと何かするって意味……?
そしたら行かなきゃだめだ

僕のせいで二人に何かあったりしたらもう立ち直れない


入っていた紙には探してみても時間が書いていない


あ……消印がない……
ポストに直接入れに来たんだ

悪寒が走って身体が震える


「どうしよう……どうしよう……」


とにかく、時間が書いてないんだから早く行かなきゃ
遅いからって何かあったら困る


僕はバタバタと家の中を走り回って部屋着を着替えてお財布とか携帯とか必需品を鞄に乱暴に入れて、すぐに家を出た

最寄駅まで走って数分


肩で息をしながら丁度来た電車に乗り込んだ


勢いで家を出ちゃったけど
どうしよう


お財布の中のお金を確認する


あんまり入ってない
やばい

何言われるんだろう

怖い
怖い


鞄の中の携帯が目に入る


二人にメール……

ううん、迷惑はかけられないし
もうお店が開く時間が近い


大丈夫
きっと大丈夫


僕は大好きな人たちと唯一繋がっている達携帯をぎゅうっと握った

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