言葉で聞かせて
第3章 葛藤と誘発
あーー……やっべぇ〜
頭ぐらぐらする
完全に飲みすぎた
「おい、流星。大丈夫か?」
「だーいじょぶだよ」
「ほんとかよ……」
あ?地面揺れてんぞ?
地震かー?
「おい!タクシー呼んでやったから、ほら!帰れ」
「おー?ありがとーぉ」
なんだよ
押すなって
タクシーくらい乗れるっつーの
あータクシーの振動気持ちわりー
吐きそ
「ちょっとお客さん!車ん中で吐かないでよ?」
「あ?うっせぇぞ。いいからトばせよぉ〜」
「……ったく……」
「ーーほら、お客さん!着いたよ!」
「んぁー?……ゥン……」
「もー……困るよ。誰か来てくれる人いないの?」
「おー?あー……ホレ、携帯。悠史」
「ゆうし?」
「そー!ゆーうーしー!!」
「勝手に連絡するからね。ーーあ、もしもし?悠史さん?」
「ゆーーーしーーー!!!!」
「ちょっと、うるさ……っ。あ、えぇーーそうですーーはい」
「敦史!?」
「あー?ゆーしだ」
「運転手さん、本当にすみませんでした。おいくらですか?」
「えっと、5500円だね」
「それじゃあこれで。お釣りはいらないので」
「こんなにいいのかい?ありがとう」
「迷惑料込みなので」
「ゆーーーしーーー!かーーーえるぞーーー!!!」