言葉で聞かせて
第3章 葛藤と誘発
部屋を出るとすぐにあるリビングに行くと、何とも日本らしい良い匂いが漂っていた
俺はまだこういうものに感動出来たのか
なんてことをしみじみ考えながらテーブルにつくと、すぐにお椀が目の前に置かれた
お椀に注がれているのは豆腐とわかめ、というシンプルな具材の味噌汁
ふと横に立つ千秋を見上げると、俺の視線に気がついた千秋が微笑んだ
……こいつはどうして喋れなくなったんだろうな
こういう対応が出来るってことは、ただのコミュ障ってわけじゃねぇんだろうし
って何考えてんだ
俺は慌てて向き直った
お椀を手にとって口を付けると身体中に染み渡るように味が広がる
「うま……」
思わず呟くと、千秋は嬉しそうに表情を明るくさせた
それから俺は何も言わずに味噌汁を飲み干して、立ち上がった
「ありがとな……」
小さな声で言ったが静かな室内では十分聞き取れる声量だったらしく、千秋がまた微笑んだ
本当によく笑うな
可愛い、という言葉が頭の中に浮かんで無意識に千秋の頭に手を置いてしまった
「!」
やべっ
こんな見た目でも年上なんだった!
つい動物を愛でるぐらいの感覚になっちまって……!
俺はまだこういうものに感動出来たのか
なんてことをしみじみ考えながらテーブルにつくと、すぐにお椀が目の前に置かれた
お椀に注がれているのは豆腐とわかめ、というシンプルな具材の味噌汁
ふと横に立つ千秋を見上げると、俺の視線に気がついた千秋が微笑んだ
……こいつはどうして喋れなくなったんだろうな
こういう対応が出来るってことは、ただのコミュ障ってわけじゃねぇんだろうし
って何考えてんだ
俺は慌てて向き直った
お椀を手にとって口を付けると身体中に染み渡るように味が広がる
「うま……」
思わず呟くと、千秋は嬉しそうに表情を明るくさせた
それから俺は何も言わずに味噌汁を飲み干して、立ち上がった
「ありがとな……」
小さな声で言ったが静かな室内では十分聞き取れる声量だったらしく、千秋がまた微笑んだ
本当によく笑うな
可愛い、という言葉が頭の中に浮かんで無意識に千秋の頭に手を置いてしまった
「!」
やべっ
こんな見た目でも年上なんだった!
つい動物を愛でるぐらいの感覚になっちまって……!