
言葉で聞かせて
第10章 再来
「うそ……でしょ……ちーちゃん……」
「暴力すら厭わないお前に、もう千秋は戻らねえけどな」
「ぁ……っ、うそ……」
女はその場で泣き崩れた
千秋が女に寄ろうとしたのを目で制する
俺は悠史の頭を二回軽く叩いて1人で部屋の中を物色
壁の隙間に隠すように設置されていたビデオカメラにやろうとしていたことがわかって感情のままぶっ壊す
置いてあったノートパソコンもデータが残っていたら面倒だからへし折って使えないようにした
「よし、帰るぞ」
「……うん……千秋さん、行きましょう」
悠史が声をかけると千秋が女と俺たちを見比べて戸惑ったような顔をしたが、結局俺たちについてきた
「あぁ、そうだ」
俺は思い出して部屋を出る前に立ち止まる
「ちょっと待っててくれ」と2人に告げて玄関を出たところに待たせると俺は一度部屋の中に戻る
放心状態で床に座りこむ女に声をかけた
「言うまでもないとは思うが、今後一切千秋に近づくなよ。今度やったらお前もこうだからな」
俺は未だ意識の戻らない男たちを足で蹴る
怯えと後悔でいっぱいな目を見て「早めに救急車呼べよ」と言って立ち上がりその場を去った
