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言葉で聞かせて

第10章 再来


『そんなことないです!』


と威勢良く返してきた千秋に全員で笑う


俺はこの件が解決したのが千秋が記憶障害の時で良かったかもな、なんて考えていた

過去のトラウマを今解決したところで過去の傷はどうしたって残っちまう

だから過去の千秋がトラウマを乗り越えられて良かった


つってもまぁ、タイムワープして昔の千秋がここにいるわかじゃねぇし
記憶が戻ったら結局は変わらねぇ


それでも、千秋に笑顔が戻って良かった



後はあれだな
記憶の戻った千秋をシめるだけだ

あの野郎やっぱり自分が苦しい時は俺たちに頼らねえ

年下だからって頼りないとか言ったらあいつも殴る


簡単に別れを切り出された俺らがどれだけショック受けたのかわかってねぇんだろ


あいつだって苦しかったはずなんだ

だからこそ
それを1人で我慢しようとしたあいつを簡単に許したりしねぇ



千秋、早く帰ってこい
お前を傷つけるものはもう何もないんだから


悠史だってきっと俺と同じ考えだろうよ
あいつがあれだけ人のために動くなんて滅多にねぇんだし


きっと俺だったらほっとかれてたな




悠史と談笑する千秋を見ながら、俺はとにかくこの件が無事片付いたことに胸をなでおろした

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