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言葉で聞かせて

第4章 飲み過ぎ注意


最近、俺たち双子の空気感が何となく悪い


俺が千秋への考えを改めた後、悠史には仕事はちゃんとやれ、と釘を刺しておいた

が、問題はその後だ

悠史の帰りが遅い時に俺が千秋と晩飯を食ったりテレビを見たりしていると、帰ってきた悠史の機嫌がすこぶる悪い


なんなんだよ


と思うが、実は俺も同じだ


俺の帰りが遅くて悠史と千秋が仲良くしているのが、何か気に入らない


……お気に入りのおもちゃを取られたような、そんなもんかな
ガキくせ……



「おい、敦史」
「はい?」


仕事場で髪型を整えていると、店長の三崎さんが声をかけてきた


「何すか?」
「お前らさ、最近雰囲気悪くないか?」


タバコの煙を吐き出しながら三崎さんは俺を見た


「……クレームですか?」
「……いや、直接言われたわけじゃない。が、そんな話を客がしていてな」
「……」
「まぁ、お前ら双子のことに口出しはしねぇから、仕事はしっかりやってくれよ」
「はい。すいません」
「お前らには期待してんだからよ。頑張れ」
「うす」


外から見てもわかるほどになってたか
そろそろやべぇかな


今日帰ったら、悠史と話してみるか

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