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言葉で聞かせて

第4章 飲み過ぎ注意


仕事が終わり、家に帰ろうとしていると


「よーぉ流星っ」


がしっ、と後ろから肩を組んできたのはうちの店で唯一俺たち双子より売上の高いNo.1の伊勢さんだ


「わ、驚かせないでくださいよ。伊勢さん、お疲れ様です」
「おう。なぁ流星、今日呑み行かね?」
「今日……ですか……」
「あぁ?なんか用事があるわけ?」
「はい……」


だから今日は申し訳ないんですが遠慮させて下さい、と言おうとしたが、伊勢さんがその綺麗な顔に黒い笑いを満面に浮かべながら組んだ肩にぎりぎりと力を入れてきた


「!!」
「でもよぉ、俺より大事な用事なんてねぇよな?俺、お前の先輩だし?そっち断ってこっち来るよな?」
「……」
「……」
「……はい……」


圧力に耐えられず俺は了承してしまった

俺の返事に満足したのか、伊勢さんはにこ、と笑う


「よし。じゃ、店の前集合な」


後ろ手にひらりと手を振って伊勢さんは軽やかに去っていった


あー……やべぇ
前回のことがあるから出来るだけ酒は飲んで帰りたくないんだが

伊勢さんは怖すぎて逆らえねぇ……



俺はとにかく酒の節制を目標に今日の飲み会を過ごす事を誓った

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