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言葉で聞かせて

第11章 記憶


「僕が悪い」なんて言ったから二人の心配は最高潮で、無駄に自分を責めてると思ったんだろう


「もういいいから。なんも考えんな」
「今日はもう寝てしまいましょうか」


なんて言われてしまう


「そ……っゃな……ぅ……ぼく……僕、は……じぶ、んの事、しか……考えて、なくて……」


話してるうちに少しずつ呼吸が落ち着いて言葉が鮮明になっていく


「あんな、もの……っ見られ、て……二人に……嫌われ、たくな……ぃと思っ、て秘密に……っし、ちゃ、ぅ……ったんです……二人が、頼りないなんて、そんなこ……っるわけ、なぃ……」


最後またぐずってしまったけれど、伝えたかったことはちゃんと伝わったかな


話してる間に、撫でてくれていた手が止まってる
安心するから、好きなのにな


「自分の……こと、ばっかり……考え……っ」


仕方ないか
こんな卑しい僕なんて


自分を卑下して傷ついて、また泣きじゃっくりが出てきてしまう
でもなんかシンと静まった部屋で一人泣いてるのが馬鹿みたいで必死に声を抑えた


泣いてる顔も、きっとすごく汚い


体育座りになって膝に顔を埋める
耳まですっぽり被せるように腕を巻けば現実逃避する気満々な体勢になってしまった


だって本当に二人の反応待ってるの怖いし

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