テキストサイズ

言葉で聞かせて

第12章 忘れられないこと


「わかったよ……じゃあーー」


俺が好きな食べ物を淡々と挙げると千秋は何故か不機嫌になった


「なんだよ?」
「……いつも僕が作る料理ばっかり……気使わなくていいのに……」


丁度到着した千秋ご指名のスーパーの駐車場に車を停めて千秋の顔を覗き込むと露骨に視線をそらされる



馬鹿だな
考えりゃわかんだろ


俺は逸らされた顔を無理やり俺の方に向けてキスをした


「わ……ぁ、んん……っ」


驚いた千秋が微かに声を挙げるが、それすら飲み込むように口を舌でこじ開けて中を蹂躙する

長いキスを終えて口を離すと千秋が真っ赤な顔で俺を見た

その顔が可愛くて今度は耳にキスをして舌で舐める


「ひゃっ……ん……」


擽ったそうな声を出した千秋の耳元で「馬鹿」と囁いた


「お前が作るものが好きになったんだよ。千秋」


最後にもう一度耳にキスをして離れると、千秋はさっきより顔を赤くして目に涙を溜めていた


「ははっ、そんな顔じゃ出られねぇな」
「あ……敦史さんのせいなのに……」


手で顔を隠して恥ずかしがる千秋は小さい声で「僕……もっと料理頑張ります……」とつぶやいた


もう少し車ん中にいてもいいかな

ストーリーメニュー

TOPTOPへ