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言葉で聞かせて

第4章 飲み過ぎ注意


二人掛かりで伊勢さんと千秋を引き剥がすと、ようやく解放された千秋は伊勢さんを抑えている俺ではなく悠史の背中に隠れた

人見知りする小さな子供のように悠史の陰からこそこそ覗く千秋とは裏腹に朝から軽い運動をさせてくれた伊勢さんはへらへらと笑っている


怒りを鎮めた悠史は落ち着いた口調で伊勢さんに話しかけた


「伊勢さん。どうしてこんなことしたんですか?」
「ん?いやなんかさ、お前ら普段は気持ち悪いほど仲良いのに最近仲悪いからよぉ。なんかいい女でもいんのかな、と」
「……」
「……」
「ん?」


くっ……だらねぇ……


目が合わなくてもわかる
悠史も同じことを考えてる


悠史は一度深く溜息をついた


「昨日敦史を飲みに誘ったのもそのためですね?」
「そうなの」


くそやろう
なんでこんな奴に負けてるんだ俺ら


軽く握った手を顎に当てて可愛こぶる伊勢さんを思いっきり殴ってやりたい衝動にかられながらも、俺は必死で我慢した


「しっかし男だったとはなー。まぁ可愛いけど」


伊勢さんは千秋に向かってにこ、と笑いかける

その顔の綺麗さと言ったら流石No.1と言いたくなるほどだ


流石


「君どこの高校通ってるの?学校に可愛い子いる?」

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