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言葉で聞かせて

第13章 言葉で聞かせて


安心安心、なんて考えていたら朝の千秋さんの行動まで思い出してしまった

お酒を大量に飲んでいるしそんなわけないけど、その時の味とか完食まで鮮明に蘇ってきて


「……っ」


大変


「悠史?急に手熱くなってきたけど、どうしたの?」


なんてお客さんに言われる始末


嬉しかったけど
こうして思い出してしまうのは本当にやばい

にしても千秋さんなんであんなことしたんだろ
何か心境の変化でもあったのかな


「悠史?」
「ちょっとお酒が回ってきてしまったみたいです」
「そうなの?それじゃあこの強いの頼んで正解だったわね」


機嫌よく微笑む女性に、僕も微笑む


「悠史さん、ご指名です」
「はい。すみません、これで失礼します。ご馳走様でした」


去り際にまた笑ってくれたお淑やかな女性に見合うよう僕もしっかりとお辞儀をして席を立った


なんかお客さんって結構ガツガツ来る女性が多いんだけど、たまにああいう人がいるんだよね

お淑やかで大人しい女性ってなんだか千秋さんみたいで
早く帰って本物に会いたくなっちゃうな


「ご指名ありがとうございます。聖夜と申します」
「久しぶり〜!聖夜!!会いたかった〜!!」


んー……なんか
こういう人だと仕事しやすいかも?

なんて

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